中山競馬場・芝1600mの枠順別傾向をデータで検証
中山競馬場の芝1600mは、春と冬を中心に多くのレースが組まれる舞台であり、マイル戦としても注目度が高いコースです。
ファンの間では「内枠有利」「外枠は厳しい」といった声をよく耳にしますが、実際の数字はどうなっているのでしょうか。
今回は過去の成績データを基に、枠順別の特徴を詳しく見ていきます。


分析データ
以下は、2022年~2025年途中までの 3 年半のデータを分析した結果です。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 6.8% | 23.5% | 39% | 72% |
2枠 | 7.5% | 23.2% | 58% | 83% |
3枠 | 9.0% | 20.4% | 66% | 67% |
4枠 | 9.5% | 23.0% | 76% | 62% |
5枠 | 8.1% | 21.4% | 70% | 80% |
6枠 | 4.6% | 16.8% | 40% | 51% |
7枠 | 4.3% | 15.1% | 70% | 52% |
8枠 | 3.8% | 17.2% | 28% | 72% |
内枠の成績は安定感あり
1枠の複勝率は23.5%、2枠も23.2%と非常に安定しています。
勝率も6〜7%台と平均的な水準で、人気馬が順当に走りやすい傾向が見て取れます。
回収率については、単勝39%・複勝72%(1枠)、単勝58%・複勝83%(2枠)とやや低調な数字ですが、堅実に上位争いをしていることは確かです。
中山芝1600mはスタート後すぐにコーナーを迎えるレイアウトとなっており、内枠の馬は最短距離を走りやすい点が大きなメリットです。
外を回されにくい分、スタミナを温存しながらスムーズにポジションを取れることが、数字にも表れています。
中枠は平均的な成績
3枠から5枠については、複勝率が20〜21%台とほぼ横並びの成績となりました。
勝率も8〜9%台と悪くなく、極端な偏りは見られません。
特に4枠は複勝率23.0%と内枠に近い安定感を示しており、枠順による大きなマイナス要素は少ないと言えます。
ただし、回収率を見てみると、どの枠も単勝60〜76%、複勝62〜80%と100%を大きく下回っており、妙味の点では厳しい数字です。
人気馬が順当に結果を出す一方で、穴馬が絡みにくいことが回収率の低さにつながっていると考えられます。
外枠は苦戦傾向が顕著
6枠以降は数字が一気に悪化します。
6枠の複勝率は16.8%、7枠は15.1%と大きく低下。
8枠は17.2%とわずかに持ち直すものの、内枠と比べると見劣りします。
単勝回収率でも6枠40%、8枠28%と特に低く、外枠に入った馬を中心に狙う戦略は厳しいことがわかります。
中山芝1600mはコース形態上、外枠の馬はどうしてもコーナーで外を回されやすく、距離ロスが積み重なります。
また、スタート直後にポジションを取りに行くために脚を使う必要があり、序盤から消耗しやすいことも成績悪化の一因と考えられます。
このように数字は、外枠が不利であるという一般的なイメージを裏付けています。
馬券戦略への応用
データを踏まえると、中山芝1600mでは内枠の馬をプラス評価することが基本戦略になります。
特に1枠や2枠の馬が先行力を持っていれば、スタート後のコーナーでスムーズに立ち回り、好走率がさらに高まります。
逆に6枠から外の馬については、人気でもやや評価を下げる視点が有効です。
もちろん能力の高い馬が外枠でも好走するケースはありますが、複勝率15〜17%という数字は、過信は禁物ということを示しています。
外枠の穴馬を狙う場合は、展開が向くことや強力な騎手・調教師といったプラス要素が揃っているかどうかを慎重に見極める必要があります。
まとめ
中山芝1600mでは、内枠が有利で外枠が不利という傾向が、データ上でもはっきりと確認できました。
- 内枠(1〜2枠):複勝率23%前後と安定
- 中枠(3〜5枠):平均的な成績
- 外枠(6〜8枠):複勝率15〜17%台と苦戦
単勝・複勝ともに回収率が100を超える枠はなく、単純に「枠順だけで儲ける」のは難しい状況ですが、内と外で明確な差がある点は馬券戦略の重要な判断材料となります。
特に、内枠を引いた人気馬は信頼度が高く、外枠を引いた人気馬は過剰評価を避けるといったスタンスが有効です。
中山芝1600mを予想する際は、この枠順傾向を頭に入れて検討してみてはいかがでしょうか。

