ダート競馬における枠順の傾向をデータで検証
「ダートは外枠が有利」とよく耳にしますが、実際のデータではどのような傾向が表れているのでしょうか。
ここでは、12頭以上が出走するダート戦を対象に、枠順別の成績を集計しました。その結果をもとに、馬券戦略に活かせるヒントを探っていきます。


分析データ
以下は、2022年~2025年途中までの 3 年半のデータを分析した結果です。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 6.3% | 18.2% | 72% | 68% |
2枠 | 5.8% | 18.7% | 61% | 66% |
3枠 | 6.0% | 19.0% | 70% | 72% |
4枠 | 6.3% | 19.5% | 64% | 67% |
5枠 | 6.8% | 20.3% | 75% | 74% |
6枠 | 7.6% | 22.3% | 81% | 77% |
7枠 | 6.9% | 20.7% | 70% | 75% |
8枠 | 7.8% | 21.9% | 63% | 71% |
内枠の成績
まずは内枠の成績から見てみます。
1枠は勝率6.3%、複勝率18.2%。回収率は単勝72%、複勝68%と、いずれも100%を大きく下回っています。
2枠や3枠も同様に複勝率は18〜19%程度で、回収率は単複ともに60〜70%台にとどまっています。
内枠はスタート直後から砂をかぶりやすく、ポジション取りが難しいことが成績に影響していると考えられます。
特に人気馬であれば地力でカバーできる場面もありますが、回収率の低さから「内枠だから積極的に狙う」という発想は持ちにくい結果です。
中枠から外枠へ
4枠と5枠は複勝率がそれぞれ19.5%、20.3%で、内枠よりはやや安定感を見せています。
しかし回収率は依然として単複ともに70%前後で、大きな妙味は感じられません。
一方で注目すべきは6枠以降の外寄りの枠です。
6枠は勝率7.6%、複勝率22.3%と全体トップ。
回収率も単勝81%、複勝77%と他の枠より比較的健闘しています。
7枠も複勝率20.7%、複勝回収値75%と安定しており、8枠も勝率7.8%、複勝率21.9%を記録しています。
外枠は砂をかぶるリスクが少なく、スムーズに自分のリズムで走れることが好成績につながっていると考えられます。
数字の上でも「外枠有利」という定説が裏付けられた形となりました。
回収率から見る馬券戦略
どの枠も単複回収率が100%を超えていないことから、「特定の枠を買い続ければ儲かる」という単純な構図はありません。
しかし、外枠が複勝率で内枠を大きく上回っている点は、馬券戦略を考える上で無視できない要素です。
例えば、人気薄が外枠に入った場合には「内枠なら見送りだが、外枠なら一考」という判断がしやすくなります。
逆に内枠の人気馬については「能力を信じるか、それとも枠の不利を嫌うか」といった取捨の基準として役立つでしょう。
まとめ
今回のデータ検証では、ダート戦において外枠(6〜8枠)が内枠よりも好成績を収めていることが明らかになりました。
特に複勝率では6枠と8枠が22%前後と高く、安定感を示しています。
一方で、回収率はどの枠も100%を超えていないため、「外枠だから必ず狙う」というよりは、馬券検討の際に一つの参考指標として扱うのが現実的です。
ダート競馬における枠順の特徴を理解することは、馬券戦略に確かな裏付けを与えてくれます。
外枠の優位性を頭に入れながら、次回の予想に活かしてみてはいかがでしょうか。

