中山競馬場ダートコースの枠順別傾向を分析
中山競馬場のダートコースは、多くのファンが「内枠が不利」「外枠が有利」と感じている舞台のひとつです。
実際のデータをもとに、枠順別の成績を検証し、馬券戦略に活かせるヒントを探ってみます。


分析データ
以下は、2022年~2025年途中までの 3 年半のデータを分析した結果です。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
1枠 | 5.3% | 16.7% | 79% | 69% |
2枠 | 5.6% | 17.4% | 60% | 61% |
3枠 | 4.3% | 17.8% | 52% | 65% |
4枠 | 6.7% | 19.8% | 49% | 67% |
5枠 | 5.8% | 19.3% | 67% | 71% |
6枠 | 8.3% | 22.1% | 97% | 73% |
7枠 | 7.6% | 21.5% | 76% | 87% |
8枠 | 8.2% | 21.3% | 76% | 75% |
内枠の成績
まず1枠から3枠の成績を見てみると、勝率は5%前後、複勝率は16〜18%程度にとどまっています。
回収率も単勝で79%・60%・52%、複勝で69%・61%・65%と、いずれも低調な水準です。
内枠はスタート直後から砂をかぶりやすく、位置取りも難しいことが影響していると考えられます。
能力上位の馬であっても枠順による不利を受けやすく、特に人気馬にとっては「過剰な信頼を置きにくい」条件となっている点に注意が必要です。
中枠の安定感
4枠と5枠に目を移すと、複勝率はそれぞれ19.8%、19.3%で、内枠よりもやや安定しています。ただし、単勝回収率は49%と67%、複勝回収率も67%と71%で、妙味に乏しい数字です。
成績が安定している分、人気馬が順当に走るケースが多いとも言えますが、「中枠だから積極的に狙いたい」とまでは言えない状況です。
外枠の優位性
注目すべきは6枠以降の外寄りの枠です。
6枠は勝率8.3%、複勝率22.1%で全体トップ。
単勝回収率97%、複勝回収率73%と、回収率こそ100%には届きませんが、他の枠に比べれば高い数値を示しています。
7枠は複勝率21.5%、複勝回収率87%と安定感を見せており、8枠も勝率8.2%、複勝率21.3%と、数字上は外枠が明らかに好成績を残していることが分かります。
外枠の優位性は「砂をかぶりにくく、自分のリズムで走れる」というコース特性によるものと考えられ、データもその傾向を裏付けています。
馬券戦略への応用
今回のデータから、「中山ダートは外枠有利」という定説は確かに根拠があるといえます。
ただし、いずれの枠も回収率が100%を超えていないため、単純に「外枠を買い続ければ儲かる」というわけではありません。
実際の馬券戦略としては、外枠に入った人気薄を積極的に検討する、あるいは内枠に入った人気馬を割り引いて評価するといった視点が有効になるでしょう。
枠順を考慮した上で、他のファクター(脚質、騎手、調教師)と組み合わせることで、より精度の高い予想につながるはずです。
まとめ
中山競馬場のダートコースでは、内枠の成績が低調である一方、外枠(特に6枠から8枠)が複勝率で優れた数字を示しています。
外枠有利という一般的な印象は、データでも裏付けられた結果といえるでしょう。
もちろん回収率が高いわけではないため、枠順だけで勝負するのは危険です。
しかし、「外枠の人気薄を狙う」「内枠の人気馬を過信しない」といった馬券戦略に応用できる知見は多く、予想の一助となるはずです。
中山ダートを予想する際には、ぜひ枠順の傾向を頭に入れて馬券検討に役立ててみてください。

