札幌ダート1700mの脚質傾向を徹底分析:前に行けるかが明暗を分ける
札幌競馬場のダート1700mは、小回りでコーナーが多く、前半の位置取りが勝敗に大きく影響するコースです。
特に、スタート後のポジション争いはそのまま着順に直結する傾向があり、「前に行けるかどうか」が重要なファクターとなっています。
今回は、札幌ダ1700mの脚質別成績データをもとに、どのタイプの馬が活躍しやすいのかを検証し、馬券戦略にどう活かせるかを考察していきます。


分析データ
以下は、2022年~2025年途中までの 3 年半のデータを分析した結果です。
項目 | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | 複勝回収率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 14.6% | 26.8% | 129% | 72% |
先行 | 18.0% | 49.9% | 173% | 144% |
中団 | 2.6% | 14.0% | 42% | 60% |
後方 | 0.2% | 1.9% | 12% | 14% |
マクリ | 33.3% | 81.8% | 274% | 344% |
圧倒的に有利なのは「先行」タイプ
まず注目すべきは、先行馬の成績です。
勝率は18.0%、複勝率は驚異の49.9%と、ほぼ2頭に1頭が馬券に絡んでいる計算になります。
さらに、単勝回収率は173%、複勝回収率も144%と非常に高く、人気馬だけでなく、穴馬の激走も含まれていることがうかがえます。
先行できる馬は、スタート直後から好位を確保し、コーナーでロスなく進められるため、札幌ダ1700mというコース形態に非常にマッチしていると言えるでしょう。
脚質の中でも、最も信頼度と回収効率を兼ね備えているのがこの「先行」タイプです。
逃げ馬も勝率は高水準
続いて「逃げ馬」の成績も良好です。
勝率は14.6%、複勝率は26.8%、単勝回収率は129%と、先手を取った馬がそのまま押し切るケースも少なくありません。
ただし、複勝率や複勝回収率は先行馬にやや劣るため、逃げ一辺倒で展開が厳しくなると崩れやすい一面もあります。
それでも、ペースに恵まれた時やライバルが手薄な時は、高い期待値を持てる脚質です。
中団・後方は苦戦傾向
対照的に、中団や後方から進める馬の成績は非常に厳しいものとなっています。
中団の複勝率は14.0%、複勝回収率は60%と、数字だけを見れば決して絶望的ではありませんが、信頼性は低く、安定した成績を残すには展開の助けが必要です。
さらに厳しいのが「後方」脚質
勝率は0.2%、複勝率はわずか1.9%、回収率も軒並み一桁台に近い水準で、ほとんど期待できないと言ってよいでしょう。
札幌のような小回り・短い直線のコースでは、後方一気の競馬はほぼ通用しないことを、このデータが明確に示しています。
異彩を放つ「マクリ」のデータに注目
一方で、例外的に高い数字を記録しているのが「マクリ」です。
勝率33.3%、複勝率81.8%、単勝回収率274%、複勝回収率344%という破格の成績を残しており、少ないながらもインパクトのある結果が見られます。
ただし、マクリという脚質は、そもそも該当するケースが少なく、ジョッキーの判断や馬の特性に大きく左右されます。
「積極的に動ける騎手」や「ロングスパートが利く馬」が揃ったときに限り、馬券の妙味が大きく跳ね上がると考えてよいでしょう。
馬券戦略としての活用法
このデータから導き出せる最もシンプルかつ強力な視点は、「とにかく前に行けるかどうか」です。
出遅れは致命的で、後方からの追い込みはほぼ決まりません。
先行力のある馬、もしくは逃げられる馬を見極めることが、札幌ダ1700mで的中に近づく第一歩となります。
加えて、「マクリ」が決まるような展開になりそうなレースでは、積極性のある騎手や外をまくれる枠順を評価するのも一手です。
まとめ:札幌ダ1700mは前重視、マクリは展開次第の穴候補
札幌競馬場のダート1700mでは、脚質による成績差が非常に顕著です。
先行馬の安定感と回収率の高さは圧倒的で、逃げ馬にも妙味があります。
一方、中団以降からの競馬は厳しく、後方一気はほぼ不発に終わっています。
例外的にマクリが決まることもありますが、これは展開と騎手に大きく依存するため、見極めが重要です。
このコースにおいては、「どの馬を買うか」以上に「どう走れるか」を重視することが、回収率向上への近道となるでしょう。

