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休み明けの馬は買えるのか|JRA約8.7万出走で見た間隔別の勝率・回収率と、本当に割り引くべきケース

saratogax
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出馬表で「前走から3か月」という表記を見て、印を一段下げていませんか。

「休み明けは走らない」「本命は叩き2走目から」——競馬を続けているとよく耳にする言い回しですよね。

実際、休み明けの好走はあくまで例外として受け止められてきました。

ですが、中央競馬(JRA)の1勝クラス以上 約8.7万出走をレース間隔別に集計すると、違う景色が出てきます。

どの間隔なら買えて、どこだけを本当に割り引くべきかを見ていきましょう。

この記事の結論

・休み明け(5週以上)の単勝回収率は75.4%。短間隔(2〜4週)の66.1%を9ポイント上回ります。

・芝とダートで正反対です。芝は10〜25週が勝率最高、ダートは3週がピークでした。

・本当に割り引くべきは半年以上だけ。それも複勝で買うのがいちばん損です。

休み明けは本当に成績が落ちるのか

まずはレース間隔別に、そのまま並べてみます。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 4.5% 16.7% 88% 69% 2,378
2週 6.3% 20.4% 68% 69% 10,378
3週 7.5% 23.6% 64% 71% 12,733
4週 7.8% 24.1% 67% 70% 9,499
5〜9週 7.9% 23.4% 77% 78% 24,759
10〜25週 7.6% 21.7% 74% 73% 23,949
半年以上 6.2% 15.7% 74% 58% 3,520
※表は横スクロールできます

勝率のピークは5〜9週の7.9%でした。

単勝回収率も同じ5〜9週の77%が最高で、3週の64%を13ポイント上回っています。

全体の平均は単勝72.3%・複勝72.6%なので、5〜9週と10〜25週は平均超え、2〜4週はいずれも平均割れという並びです。

まとめて比べると、差はもっとはっきりします。

区分 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
休み明け(5週以上) 7.7% 22.1% 75.4% 74.4% 52,228
短間隔(2〜4週) 7.2% 22.7% 66.1% 70.1% 32,610
※表は横スクロールできます

勝率でも回収率でも、休み明けのほうが上でした。

下回っているのは複勝率だけで、その差はわずか0.6ポイントです。

ただし、どの区分も回収率は100%を下回っています。

控除率がある以上これは避けられないので、休み明けの馬をまとめて買えばプラスになる、という意味ではありません。

実際に使えるのは、どの区分が相対的に有利かという差のほうです。

その差で見るかぎり、間隔が空いたというだけで評価を下げる必要はありません。

休み明けでも走るのはなぜか

背景として考えられるのが、外厩の普及です。

外厩とは、トレセンの近郊にある育成施設のことを指します。

  • 放牧に出ている間も、トレセンに近い環境で調教を積める
  • 外厩で仕上げておいて、トレセンでは最終調整だけという組み立てもできる
  • 帰厩から10日ほどで出走させる「10日競馬」も珍しくない

つまり「間隔が空いている=調整が足りない」という前提そのものが、いまは当てはまりにくいのです。

では、仕上がっているかどうかを当日に見分ける手がかりはあるのでしょうか。

パドックで表示される馬体重がそれにあたりますが、増減の意味はレース間隔によって入れ替わります。

詳しくは馬体重の増減は何kgから危険なのかでデータにあたっています。

芝とダートで、狙うべき間隔は逆になる

馬場を分けると、間隔の効き方がきれいに割れました。

まず芝です。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 4.3% 16.2% 77% 59% 1,185
2週 6.0% 19.6% 72% 69% 4,681
3週 6.9% 22.6% 58% 69% 5,775
4週 7.9% 23.5% 76% 67% 4,690
5〜9週 8.2% 24.9% 76% 79% 13,027
10〜25週 8.6% 23.7% 74% 76% 11,979
半年以上 7.2% 17.8% 65% 58% 1,603
※表は横スクロールできます

芝は10〜25週の勝率8.6%が全区分で最高でした。

間隔が空くほど勝率が上がっていき、半年以上になってようやく落ちる形です。

次にダートを見てみましょう。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 4.8% 17.1% 99% 79% 1,193
2週 6.5% 21.0% 65% 69% 5,697
3週 7.9% 24.3% 70% 72% 6,958
4週 7.8% 24.7% 59% 73% 4,809
5〜9週 7.6% 21.8% 78% 76% 11,732
10〜25週 6.7% 19.7% 74% 71% 11,970
半年以上 5.4% 13.9% 81% 58% 1,917
※表は横スクロールできます

ダートのピークは3週の7.9%で、10〜25週では6.7%まで下がります。

複勝率も24.3%から19.7%へと、同じ向きに落ちています。

芝は間隔を空けたほうが、ダートは詰めたほうが走るという、正反対の結果です。

芝の長期明けを嫌う必要はなく、逆にダートの長期明けは慎重に見る、という使い分けができます。

本当に割り引くべきなのは「半年以上」だけ

7つの区分のうち、はっきり割り引いてよいのは半年以上の1つだけでした。

複勝率15.7%・複勝回収率58%は、どちらも全区分で最低の数字です。

ところが単勝回収率は74%あり、3週の64%や4週の67%より高いままです。

この妙な形は、1〜3番人気だけを取り出すともっとはっきりします。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 17.6% 52.5% 70% 89% 301
2週 19.5% 49.5% 72% 78% 1,964
3週 20.9% 51.7% 76% 81% 2,989
4週 20.9% 51.8% 77% 82% 2,371
5〜9週 22.2% 52.1% 79% 82% 5,633
10〜25週 21.6% 50.3% 77% 82% 5,446
半年以上 20.9% 42.3% 73% 73% 633
※表は横スクロールできます

半年以上の勝率20.9%は、3週の20.9%とまったく同じです。

それなのに複勝率だけが42.3%まで落ちています。

ほかの区分は50〜52%で並んでいるので、ここだけ10ポイント近く低いことになります。

勝ち切る力は落ちていないのに、2着・3着に残る安定感を欠いている、という読み方ができます。

半年明けの上位人気は複勝で買うのがいちばん損な形です。

外厩で態勢を整えられるのは、あくまで通常の放牧明けまでです。

半年以上あくケースは別の事情が絡むことが多く、同じようには扱えないと考えられます。

妙味が出るのは人気薄の休み明け

同じ休み明けでも、人気によって得をする度合いが違いました。

さきほどは1〜3番人気を見たので、今度は4番人気以下だけを取り出します。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 2.6% 11.5% 91% 67% 2,077
2週 3.2% 13.6% 67% 67% 8,414
3週 3.3% 14.9% 61% 68% 9,744
4週 3.5% 14.9% 64% 66% 7,128
5〜9週 3.7% 15.0% 76% 76% 19,126
10〜25週 3.5% 13.3% 73% 71% 18,503
半年以上 3.0% 9.8% 74% 55% 2,887
※表は横スクロールできます

4番人気以下では、単勝回収率が3週の61%から5〜9週の76%へと15ポイント伸びます。

一方の1〜3番人気は、同じ区間で76%から79%へと3ポイントしか動きません。

上位人気の休み明けは、すでにオッズへ織り込まれていると考えられます。

逆に人気薄の休み明けは、嫌われたぶんだけ配当が残っているということです。

妙味を探すなら、上位人気ではなく人気薄の休み明けを見るほうが効率的です。

クラスが上がるほど、長い休み明けが効く

条件戦とオープン以上でも、ピークの位置がずれました。

まず条件戦(1勝・2勝・3勝クラス)です。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 4.5% 16.8% 87% 69% 2,273
2週 6.4% 20.7% 70% 71% 9,756
3週 7.7% 24.2% 64% 71% 11,514
4週 8.1% 24.7% 65% 69% 8,076
5〜9週 8.0% 23.7% 78% 78% 19,448
10〜25週 7.6% 21.6% 74% 74% 19,763
半年以上 6.5% 16.2% 77% 60% 3,067
※表は横スクロールできます

条件戦のピークは5〜9週の8.0%で、10〜25週では7.6%に下がります。

オープン以上(オープン特別・リステッド・重賞)はどうでしょうか。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 4.8% 14.3% 119% 77% 105
2週 3.7% 14.5% 32% 46% 622
3週 5.5% 17.1% 66% 69% 1,219
4週 6.4% 21.0% 82% 77% 1,423
5〜9週 7.3% 22.5% 72% 78% 5,311
10〜25週 8.1% 22.4% 71% 72% 4,186
半年以上 4.0% 11.9% 55% 49% 453
※表は横スクロールできます

こちらは10〜25週の8.1%が最高でした。

上のクラスほど、長めの休み明けでも力を出せているという形です。

もうひとつ、この表には目を引く数字があります。

オープン以上の「2週」は勝率3.7%・単勝回収率32%と、7つの区分で突出して悪い成績です。

出走数は622あるので、たまたまこうなったとは考えにくい数字です。

重賞級の休み明けは割り引かず、むしろ詰めたローテのオープン馬を疑うほうが理にかなっています。

未勝利戦は長い休み明けほど成績が落ちる

ここまでの数字は、すべて1勝クラス以上のものです。

参考として、未勝利戦だけを同じ形で集計してみました。

間隔 勝率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率 出走数
連闘 5.1% 16.6% 50% 64% 2,047
2週 7.0% 22.3% 67% 66% 9,376
3週 8.7% 26.5% 67% 71% 11,406
4週 9.5% 26.9% 77% 75% 6,088
5〜9週 6.7% 19.4% 76% 76% 13,447
10〜25週 5.3% 16.3% 63% 66% 11,677
半年以上 4.5% 14.4% 53% 47% 933
※表は横スクロールできます

未勝利は4週の9.5%がピークで、そこから間隔が空くほど単調に落ちていきます。

10〜25週で5.3%、半年以上では4.5%まで下がりました。

1勝クラス以上とは、ちょうど逆の形です。

未勝利のまま長く休む馬は事情を抱えていることが多く、力のある馬は先に勝ち上がってしまう、という背景が考えられます。

未勝利戦の馬を検討するときは、ここまで見てきた1勝クラス以上の数字ではなく、この表の傾向を使ってください。

実戦ではどう使うか

ここまでの結果を、馬券を組み立てるときの判断材料として整理します。

  • 「休み明けだから」だけで割り引かない。5週以上あけた馬は、勝率でも単勝回収率でも短間隔の馬を上回っています
  • 芝の10〜25週はむしろ買い。芝では10〜25週の勝率8.6%が最高でした
  • ダートの長期明けは慎重に。ダートは3週がピークで、10〜25週では6.7%まで落ちます
  • 半年以上は複勝で買わない。勝ち切る力は残っていますが、複勝率だけが大きく落ちます
  • 妙味は人気薄の休み明け。4番人気以下では単勝回収率が15ポイント伸びます
  • オープン以上は10〜25週が最良、2週は避ける。詰めたローテのオープン馬は単勝回収率32%でした
  • 未勝利戦には当てはめない。未勝利だけは間隔が空くほど成績が落ちます

「休み明けは割引」という一律のルールは、少なくとも1勝クラス以上では成り立ちませんでした。

見るべきなのは間隔そのものではありません。

同じ休み明けでも芝かダートか、どのクラスか、何番人気かで答えが変わります。

出典と集計基準
  • 出典:JRA 公式・JBIS Search の公開データをもとに当サイトが集計
  • 集計期間2023年1月〜2026年5月の中央競馬平地競走
  • 集計対象:1勝クラス以上(新馬・未勝利・障害を除く)の約8.7万出走。「未勝利戦だけは形が逆になる」の節のみ未勝利戦を対象としています
  • 間隔の区分:前走からのレース間隔。連闘・2週・3週・4週・5〜9週・10〜25週・半年以上の7区分
  • 注意:区分によって出走数に偏りがあり、出走数の少ない区分は確定値ではない点にご注意ください
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ルンルン
ルンルン
データエンジニア
はじめまして。競馬のデータ分析を中心に情報発信をしているルンルンです。 「なんとなくの勘」ではなく、数字に基づいた予想で的中率と回収率を高めることをテーマに、JRA全場のレース傾向や馬の成績、脚質別の勝率などを日々分析しています。 主に扱っているのは、 過去数年分のレース結果の傾向分析 枠順や脚質、人気別のパフォーマンス 回収率を意識したデータ重視の買い方 競馬はロマンとギャンブルの間にある、奥の深いデータゲームだと思っています。 このブログでは、「明日の馬券に役立つ分析」をモットーに、初心者の方にもわかりやすいデータ予想を目指しています。 ご質問やご意見などもお気軽にどうぞ。 一緒に“データで競馬をもっと楽しむ”世界へ踏み込んでみませんか?
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