競馬あるある
PR

休み明けが得意な厩舎はあるのか|JRA122厩舎の成績を調べて分かったこと

saratogax
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「あの厩舎は休み明けから走る」という評判を、聞いたことはありませんか。

休み明けの馬を買うかどうか、厩舎で判断できるなら話は早いですよね。

そこで JRA の122厩舎について、休み明けの成績が普段の成績をどれだけ上回るかを調べました。

先に結論をお伝えすると、はっきり得意と言える厩舎は見つかりませんでした

ただ、その途中で見えた「ランキングの落とし穴」のほうが、馬券では役に立ちます。

この記事の結論

・122厩舎を調べて、休み明けが得意と言える厩舎は0でした。

・休み明けの複勝率ランキングの上位は、単に成績のよい厩舎が並んでいるだけです。

・差があったとしても、複勝率で+3.0ポイント程度が上限と見られます。

休み明けの複勝率が高い厩舎はどこか

まず、休み明け(10〜25週)の複勝率が高い順に、上位8厩舎を並べます。

調教師 所属 休み明けの複勝率 全体の複勝率 休み明けの出走数
中内田充 栗東 39.8% 41.6% 231
四位洋文 栗東 39.6% 35.3% 134
池江泰寿 栗東 39.4% 33.3% 213
田中博康 美浦 39.2% 38.1% 148
上村洋行 栗東 38.8% 41.7% 183
木村哲也 美浦 36.3% 34.7% 256
宮田敬介 美浦 36.0% 34.4% 164
杉山晴紀 栗東 34.8% 35.3% 207
※表は横スクロールできます

1位は中内田充厩舎の39.8%でした。

数字だけ見れば、休み明けでも複勝圏に入る確率が4割近いということになります。

ですが、この表には最初から答えが載っています。

このランキングでは得意・不得意は分からない

上の表の「全体の複勝率」の列を見てみましょう。

中内田充厩舎は全体で41.6%なので、休み明けの39.8%はそれより1.8ポイント低い数字です。

もともと成績のよい厩舎は、休み明けでも高い数字が出ます。

そのため複勝率の順に並べると、厩舎の総合力の順位に近いものが出てきてしまいます。

知りたいのは、ほかの厩舎より強いかどうかではありません。

その厩舎が休み明けのときだけ、普段より上に行くかどうかです。

普段の成績と比べ直すと、顔ぶれが変わる

そこで、休み明けの複勝率から、その厩舎の普段の複勝率を引いて並べ直しました。

調教師 所属 休み明けの複勝率 普段の複勝率 休み明けの出走数
池江泰寿 栗東 39.4% 30.4% +9.0pt 213
四位洋文 栗東 39.6% 32.9% +6.6pt 134
庄野靖志 栗東 28.6% 22.2% +6.4pt 140
新谷功一 栗東 27.6% 21.5% +6.1pt 123
橋口慎介 栗東 31.8% 25.8% +6.0pt 157
宮本博 栗東 24.3% 18.3% +6.0pt 136
梅田智之 栗東 20.3% 14.4% +5.9pt 133
武井亮 美浦 26.5% 20.8% +5.7pt 132
※表は横スクロールできます

1位は池江泰寿厩舎で、普段より9.0ポイント高くなっています。

注目したいのは顔ぶれです。

さきほどの複勝率ランキングの上位8厩舎のうち、この表にも残ったのは2厩舎だけでした。

見る数字を変えるだけで、並ぶ名前がほとんど入れ替わってしまうということです。

9.0ポイントの差は、偶然でも起きる

では池江泰寿厩舎は「休み明けが得意」と言ってよいのでしょうか。

そう言い切れない理由が、2つあります。

  • 休み明けの出走は213回。実力がまったく同じでも、この回数では成績がかなり振れます
  • 今回は122厩舎ぶんを並べている。数を並べれば「たまたま数字が伸びた厩舎」は必ず混ざります

コインを200回投げても、表がちょうど100回になるとは限らないのと同じですね。

そこで、実際に出た数と、偶然だけで出るはずの数を比べてみます。

偶然でも出てしまう数

・実際に「差が大きい」と出た厩舎 … 3厩舎

・実力差がゼロでも出るはずの数 … 約6厩舎

・つまり、出てきた数のほうが少ない

何度も見比べたぶんを差し引く計算をすると、残る厩舎はさらに減ります。

調べ方 「得意」と言える厩舎
そのまま比べる 3厩舎(実力差がなくても約6厩舎は出る)
見比べた回数を差し引く(ボンフェローニ法) 0厩舎
同じく差し引く(ベンジャミニ・ホックバーグ法) 0厩舎
※表は横スクロールできます

どちらの方法でも0厩舎になりました。

上位に並んだ厩舎の差は、偶然で起きる範囲に収まっているということです。

差があるとしたら、どれくらいの大きさか

はっきり得意と言える厩舎が見つからないからといって、差がぴったりゼロだとは限りません。

実際に見えたばらつきと、偶然だけで生じるばらつきを並べてみます。

何のばらつきか 大きさ
122厩舎で実際に見えた差 4.39ポイント
実力差がゼロでも生じるぶん 4.14ポイント
差し引いて残る「本当の差」 1.48ポイント
※表は横スクロールできます

かなり得意な部類に入る厩舎でも、複勝率で+3.0ポイント程度が上限という計算です。

複勝率が20%の厩舎が23%になる、という大きさですね。

しかも、どの厩舎がそれに当たるかまでは分かりません。

では休み明けの何を見ればいいのか

厩舎で見分けられないなら、別の切り口を使うことになります。

同じデータを間隔・馬場・クラス・人気で切り直すと、厩舎よりはるかに大きな差が出ます。

  • 間隔:5週以上あけた馬の単勝回収率は75.4%で、2〜4週の66.1%を9ポイント上回ります
  • 馬場:芝は10〜25週が勝率最高、ダートは3週がピークで逆になります
  • クラス:オープン以上は10〜25週がもっとも良く、逆に2週の単勝回収率は32%まで落ちます
  • 人気:4番人気以下では、休み明けで単勝回収率が15ポイント伸びます

いずれも、厩舎の上限である数ポイントとは大きさが違います。

詳しい数字は休み明けの馬は買えるのかにまとめました。

厩舎名を覚えるより、間隔と馬場とクラスの組み合わせを見るほうが早いというのが結論です。

出典と集計基準
  • 出典:JRA 公式・JBIS Search の公開データをもとに当サイトが集計
  • 集計期間2023年1月〜2026年5月の中央競馬平地競走
  • 集計対象:1勝クラス以上(新馬・未勝利・障害を除く)。休み明け(10〜25週)と休み明け以外の両方で出走100以上の122厩舎
  • 指標:複勝率。回収率は厩舎ごとに見ると出走数が足りず、偶然の振れが大きすぎるため使っていません
  • 注意:引退・移転した調教師は集計から除いています
タイプ別・次に読むべき記事
ABOUT ME
ルンルン
ルンルン
データエンジニア
はじめまして。競馬のデータ分析を中心に情報発信をしているルンルンです。 「なんとなくの勘」ではなく、数字に基づいた予想で的中率と回収率を高めることをテーマに、JRA全場のレース傾向や馬の成績、脚質別の勝率などを日々分析しています。 主に扱っているのは、 過去数年分のレース結果の傾向分析 枠順や脚質、人気別のパフォーマンス 回収率を意識したデータ重視の買い方 競馬はロマンとギャンブルの間にある、奥の深いデータゲームだと思っています。 このブログでは、「明日の馬券に役立つ分析」をモットーに、初心者の方にもわかりやすいデータ予想を目指しています。 ご質問やご意見などもお気軽にどうぞ。 一緒に“データで競馬をもっと楽しむ”世界へ踏み込んでみませんか?
記事URLをコピーしました