複勝でコツコツ遊ぶには何を軸にするか|よく当たる条件と、減りにくい条件は逆でした
「次はもっと堅実にいこう」と、日曜の夜に思ったことはありませんか。
週明けにはそう決めているのに、土曜になると結局いつもの買い方に戻ってしまいますよね。
意志の話をしても仕方がないので、買い方の話をします。
中央競馬(JRA)の約8.7万件の出走データ(1勝クラス以上)を、7つの条件で分けて集計しました。
先に断っておくと、複勝で利益が出る条件は1つも見つかりませんでした。
見つかったのは、同じ予算で当たる回数が3倍以上変わることです。
しかも、よく当たる条件を選ぶほど、手元に残るお金は少なくなりました。
順に見ていきましょう。
・複勝で利益が出る条件はありません。出走300件以上の538区分を見て、回収率が100%を超えたものは0でした。
・軸にするなら上位人気(1〜3番人気)です。複勝率50.9%・回収率81%・平均配当159円で、人気4番以下の複勝率14.0%とは当たる回数が3倍以上違います。
・当たる回数を増やすなら、前走の上がり1〜2位か前走2着。複勝率が55.4%前後まで上がり、回収率もほとんど変わりません。
・手元に残す額を増やすなら、前走6着以下だった上位人気。的中は47.1%に落ちますが、回収率は85%で最も高くなります。
・よく当たる条件ほど、配当は安くなります。上がり1位は148円、前走10着以下は188円でした。
複勝でコツコツ増やせる条件はあるのか
当サイトでは、これまで7つの条件で中央競馬のデータを集計してきました。
- 出走間隔(休み明けは本当に割引か)
- 馬体重の増減(馬体重が増えた馬は太め残りか)
- 距離の変更(距離短縮は本当に買いか)
- 前走の着順(前走1着の馬は本当に買いか)
- 芝とダートの替わり(ダート替わりは本当に一変するか)
- 前走の上がり順位(前走の上がり最速は本当に買いか)
- 前走の着差(前走の着差は次走に効くか)
この7本で出した区分を全部まとめて、複勝回収率の高い順に並べ直します。
対象は出走300件以上の538区分です。
回収率が100%を超えた区分は存在しません
いちばん高い区分でも90%で、538区分の中央値は73%です。
複勝の払戻率は80%なので、ほとんどの条件は控除される分すら取り返せていません。
残念ですが、「これを買い続ければ増える」という条件は導き出せませんでした。
そこで目標を「勝つ」ではなく、減る速さを落として最後まで遊ぶに置き替えます。
軸にするのは上位人気でいいのか
まず、今走の人気で2つに分けます。
| 買う馬 | 出走数 | 複勝率 | 複勝回収率 | 平均配当 |
|---|---|---|---|---|
| 1〜3番人気 | 19,255 | 50.9% | 81% | 159円 |
| 4番人気以下 | 67,438 | 14.0% | 70% | 500円 |
上位人気は2回に1回は複勝圏に来ます。
1日は12レースあるので、毎レース500円ずつ複勝を買った場合の平均を出してみます。
| 買う馬 | 使う額 | 当たる回数 | 払い戻し | 収支 |
|---|---|---|---|---|
| 1〜3番人気 | 6,000円 | 6.1回 | 4,860円 | -1,140円 |
| 4番人気以下 | 6,000円 | 1.7回 | 4,200円 | -1,800円 |
どちらも減りますが、減り方と当たる回数がまるで違います。
上位人気なら6回前後は的中するので、払い戻しを次のレースに回しながら1日を通せます。
人気薄中心だと当たりは2回を切るので、外れ続ける時間のほうがずっと長くなります。
軸を上位人気に置くのは、勝つためではなく最後まで遊ぶためだと考えてください。
上位人気の中で、さらに当たる条件はあるのか
上位人気をそのまま買うと複勝率は50.9%です。
ここから出馬表で分かる条件を足して、当たる回数が増えるかを調べました。
| 足す条件 | 出走数 | 複勝率 | 上位人気との差 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|
| 前走の上がり1位 | 3,860 | 55.4% | +4.5ポイント | 82% |
| 前走2着 | 4,101 | 55.0% | +4.0ポイント | 79% |
| 前走の上がり2位 | 2,672 | 54.4% | +3.4ポイント | 82% |
当たる回数が本当に増えるのは3つだけです
どれも複勝率が55.4%前後まで上がり、複勝回収率のほうもほとんど変わりません。
前走で最も速い上がりを使った馬が、今回も上位人気なら素直に買える、ということです。
表で上に来ても、差が確認できない条件がある
複勝率の順に並べると、次の条件も上位人気を上回って見えます。
- 馬体重が10〜19kg増 … 複勝率52.8%(+1.9ポイント)
- 前走3着 … 複勝率52.4%(+1.5ポイント)
- 前走1着 … 複勝率52.2%(+1.2ポイント)
ところが検定すると、この程度の違いは集計のばらつきの範囲に収まります。
出走数が1,000件を超えていても、1〜2ポイントの差は確かなものとは言えません。
表の順位だけで条件を足すと、増えていない手間だけが増えます。
手元にお金を残したいなら、条件は逆になる
今度は当たる回数ではなく、複勝回収率の高い順に並べ替えます。
| 足す条件 | 出走数 | 複勝率 | 複勝回収率 | 平均配当 | 1日の収支 |
|---|---|---|---|---|---|
| 前走10着以下 | 1,409 | 45.8% | 86% | 188円 | -840円 |
| 前走6〜9着 | 2,967 | 47.1% | 85% | 181円 | -900円 |
| 前走より距離が短い | 4,530 | 50.5% | 83% | 164円 | -1,020円 |
前走で負けている馬のほうが残ります
前走6着以下だった馬が今回は上位人気、という組み合わせです。
当たる回数は47.1%まで落ちますが、1日の収支は-1,140円から-840円まで改善します。
前走で好走した馬は次も走りそうに見えるので、その分だけ買われすぎているのだと考えられます。
ただし回収率の差は検定していません。
複勝率の差とは違って、こちらは傾向として読む程度にとどめてください。
よく当たる条件ほど、配当は安くなる
ここまでの条件を、平均配当の順に並べます。
| 買う馬 | 複勝率 | 平均配当 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|
| 前走2着 | 55.0% | 144円 | 79% |
| 前走の上がり1位 | 55.4% | 148円 | 82% |
| 前走の上がり2位 | 54.4% | 151円 | 82% |
| 条件を足さない場合 | 50.9% | 159円 | 81% |
| 前走より距離が短い | 50.5% | 164円 | 83% |
| 前走6〜9着 | 47.1% | 181円 | 85% |
| 前走10着以下 | 45.8% | 188円 | 86% |
複勝率が高い条件ほど、配当が安くなっているのが分かります。
当たる回数と1回あたりの喜びは、同時には手に入りません。
上位人気の複勝は平均159円なので、当たっても100円台は珍しくありません。
当たる回数を取るのか、配当を取るのかは、その日の遊び方で決めてください。
なお元返しに近い配当が続くと損をした気分になりますが、その仕組みはガミる(トリガミ)とは何かにまとめています。
1日をどう組み立てるか
この集計から言えることを、買う順に並べます。
- 軸は1〜3番人気から選ぶ。2回に1回は複勝圏に来るので、払い戻しを次に回せます
- 当たる回数がほしい日は、前走の上がり1〜2位か前走2着。複勝率が55.4%前後まで上がります
- お金を残したい日は、前走6着以下だった上位人気。当たりは減りますが配当と回収率が上がります
- 表の順位だけで条件を足さない。差が確認できたのは上の3つだけです
- 増えることは期待しない。1日あたりの平均は840円〜1,260円の負けです
複勝で増やすことはできませんが、いつまで遊べるかなら選べます。
1日の予算を決めて、その中で何回当たりを見られるかを目標にすると、日曜の夜の後悔は小さくなります。
資金をいくつに分けておけば途中で尽きないかは、的中率別の最大連敗数と資金分割の目安で計算できます。
- 出典:JRA 公式・JBIS Search の公開データをもとに当サイトが集計
- 集計期間:2023年1月〜2026年5月の中央競馬平地競走
- 集計対象:1勝クラス以上(新馬・未勝利・障害を除く)。人気別の基準に使ったのは86,693件の出走データです
- 母数の違い:条件によって必要な前走の情報が違うため、軸ごとに母数が少し前後します。表の出走数はその条件での実数です
- 条件は重ねていません:「前走の上がり1位かつ前走2着」のように2つ以上を同時に満たす馬の成績は集計していません。表の数字はどれも条件を1つだけ足したときのものです
- 人気:今走の単勝人気です。馬券を買う時点で分かります
- 差の判定:複勝率の差は統計的な検定で確かめています。回収率の差は検定していません
- 回収率:払戻金を購入金額で割った割合です。100%で収支がトントンで、複勝の払戻率は80%なので、80%が平均的な水準になります
- 1日の試算:1開催日12レースで、毎レース500円の複勝を1点買った場合の平均です。実際には当たり外れの並び方で上下します
- 注意:出走300件未満の区分は除いています。狙い目として挙げた条件はいずれも出走1,000件以上です
- 資金が途中で尽きないか知りたい人 → 的中率別の最大連敗数と資金分割の目安
- 自分の回収率を計算したい人 → 回収率と的中率の計算方法
- 当たっても損をする理由を知りたい人 → ガミる(トリガミ)とは何か
- 上位人気の危なさを知りたい人 → 1番人気が飛ぶ条件
- 前走の上がりをもっと見たい人 → 前走の上がり最速は本当に買いなのか
